大阪府豊中市の米田産婦人科は産婦人科・婦人科・女性内科のクリニックです。一般外来、妊婦健診、子宮がん検診、予防接種、思春期外来、避妊、レディースドックなどに対応しております。

疾患について

月経トラブル

主な月経トラブル

  • 月経痛(月経困難症)
  • 月経不順・無月経
  • PMS(月経前緊張症)
  • PMDD(月経前不快気分障害)

月経痛(月経困難症)

月経困難症は、月経期間中に月経に伴って起こる様々な病的症状を言います。
主な症状としては、下腹部痛、腰痛、おなかが張る、嘔気、頭痛、疲労感、脱力感、いらいら、下痢、憂うつの順に多くみられます。
月経困難症は日本では約900万人もの患者さんがいると推計されています。しかしそのうち治療を受けている方は約6%しかいません。また働く女性の約60%は仕事になんらかの影響がでているといわれています。月経でお困りの方はぜひご相談にきてください。

月経困難症は原因となる病気の有無などによって「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2つのタイプに分かれます。

機能性月経困難症
子宮に原因となる病気がないタイプで、初経から3年以内に発症し、10~20代の若い方に多く見られます。子宮内膜からプロスタグランディンという体内物質が多く作られ、子宮を過度に収縮させるためにおこるといわれています。また子宮の発育不全(子宮が硬く、さらに子宮口が狭い)ことにより、月経血の通り道が狭いことで痛みが出現すること原因と考えられます。また月経への不安や緊張などからも痛みが出てきます。痛みの持続は4~48時間くらいです。年齢とともに改善が見られます。
器質性月経困難症
子宮や卵巣に病気(子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症など)があるタイプで、初経から5年以上後に発症し、30歳以上に見られます。
年齢とともに徐々に悪化していく傾向があります。痛みの持続は月経期間中(1~5日間)ですが、悪化するとほかの時期にも起こることがあります。

治療法としては、対症療法・薬物療法(漢方や鎮痛剤 鎮痙剤)、ホルモン療法(低用量ピル(LEP)、黄体療法・子宮内黄体ホルモン放出システム)などがあります。
また器質性月経困難症では原疾患の治療も並行して行う必要があります。

月経不順・無月経

月経は約1か月の間隔で自発的に起こり、限られた日数で自然にとまる子宮内膜の周期的な出血のことを示します。月経周期は約25~38日間の間に起こります。
月経不順には、月経周期が24日以内(1か月に2~3回)となる「頻発月経」や月経周期が39日以上3か月以内となる「希発月経」や3か月以上月経発来がない「無月経」などあります。

原因としては体重の増減(過度なダイエットなど)・摂食障害・精神的ストレス・激しい運動負荷、そのほかの疾患の内服薬などによるホルモンバランスの乱れがあります。
また子宮頸がん、子宮体癌からの不正出血ということもありますので、早めにご相談ください。

月経前症候群(PMS)

月経前に不快な症状はありませんか?
月経開始の3~10日くらい前から始まる精神的、身体的症状で、月経とともに減弱あるいては消失するもの」と定義されています。
身体的症状としては下腹部膨満感、疲労感、腰痛、頭痛、浮腫、乳房緊満感、のぼせなどがあります。精神的症状としては、気分の変動、イライラ感、易怒性、抑うつ気分などがあります。頭痛、乳房痛、落ち着かない、憂うつの順に多くみられ、月経困難症と比べて精神症状や乳房症状が多い傾向があります。生殖年齢女性の約70~80%は月経前になんらかの不調を感じています。症状は個人差が多く、治療やサポートが必要でない人もいますが、そのまま病院を受診せずに一人で抱え込んでいる女性も少なくないと思います。
治療としてはカウンセリングや生活・栄養指導・運動療法などがあります。薬剤による治療(低用量ピル・漢方薬、精神安定剤など)もあり、症状にあわせて相談しながら、治療を行っていきましょう。

子宮・卵巣の病気

子宮・卵巣の病気

  • 子宮筋腫 子宮腺筋症
  • 子宮内膜症
  • 卵巣腫瘍 卵巣嚢種
  • PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
  • 子宮がん(子宮頸がん・体癌)など

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮に発生する、女性ホルモンの影響によって発育する良性腫瘍(こぶ)のようなものです。初経前には発生せず、一般に性成熟期に増大し、閉経後に萎縮します。
婦人科の腫瘍の中で、最も多い疾患で、30歳以上の女性で20~30%に見られます。子宮筋腫による症状は発生した位置、大きさにより様々ですが、約半数は無症状で婦人科検診の際に偶然見つかる場合が多いです。筋腫のできる位置により粘膜下筋腫・筋層内筋腫・漿膜下筋腫に分かれます。一般的に症状がもっとも強いのは、粘膜下筋腫 つぎに筋層内筋腫、漿膜下筋腫の順となります。
主な症状としては、筋腫が大きくなるにつれて、月経異常(過多月経・月経困難症)、不正性器出血、貧血、排尿障害(頻尿など)、便秘、腰痛などがあります。性成熟期においては不妊になることや妊娠中においては、切迫流産、切迫早産、さらには流産・早産の原因になることもあり、また常位胎盤早期剥離・胎児発育不全、分娩障害、産後出血の増加などの原因となることもあります。また筋腫が巨大となると骨盤内の血管を圧迫することで足の浮腫や静脈瘤、ひいては下肢静脈血栓症の原因となることもあります。

内診・超音波検査、MRI検査などで診断します。

治療としては、無症状の子宮筋腫では定期的な経過観察でよいです。しかし、筋腫の急速な増大や症状(過多月経・貧血・腰痛・腹部腫瘤感・便秘・排尿障害など)の出現、挙児希望・不妊症の有無によって治療の対象となります。治療としては、対症療法や薬による治療、手術などがあります。手術でも筋腫の位置、年齢、挙児希望の有無により、選択肢はいろいろとあります。手術が必要となった場合は適切な医療機関にご紹介させていただきます。

子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が何らかの原因で子宮の内膜以外の場所(卵巣、腹膜など)にでき、増殖する病気です。一番多いものは卵巣にできる子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)です。子宮内膜症の組織は女性ホルモンの影響をうけ、正常な子宮内膜と同じように周期的に出血し、その血液がその場所でたまり、炎症を起こしたり、周囲の組織と癒着したりします。症状としては、月経困難症がほとんどの人に見られます。そのほかには下腹部痛、排便痛、性行痛などが見られます。

20~30歳の女性に見られます。近年は増加してきています。子宮内膜症は不妊症とも関連があり、また長期間経過するとがん化することもまれにあるため婦人科での定期検診をすることをお勧めします。

内膜症の治療としては①対症療法 ②薬物療法(内分泌療法:低用量ピル・黄体ホルモンなど) ③手術療法 ④経過観察です。

卵巣腫瘍

卵巣は左右にひとつずつ存在し、母指頭大くらいの大きさがあります。性成熟期では、女性ホルモンの影響で周期的に増大することもあり、正常でも大きいと5㎝くらいまで増大することもあります。卵巣は腹腔内にあるため、おなかからふれることが難しく、ある程度おおきくならない限りは自覚症状がないのが特徴です。そのため、健診でみつかることがほとんどです。
卵巣は外来での超音波検査でチェックすることが可能です。必要に応じてMRIの検査などを追加することもあります。
卵巣腫瘍は良性・境界悪性・悪性腫瘍に分類されます。ほとんどが良性腫瘍です。
良性腫瘍でも増大したり、痛みを伴うこともあるため定期的な検診、経過観察が必要です。また卵巣腫瘍の種類・大きさによっては、良性であったとしても治療、手術が必要となることもあります。

外陰部・膣の異常

帯下(たいげ)、いわゆる「おりもの」といったものは、子宮頸管腺の分泌物・頸管粘液・外陰部の皮脂腺・バルトリン腺からの分泌物などでできています。
分泌物の量や質などはおもに女性ホルモンにより左右されています。正常でも分泌物が増加し、帯下が増加することはあります。
一般的には局所的な感染・外的刺激に伴う帯下やホルモン失調性帯下、妊娠性帯下などがあります。
かゆみや帯下の増加の原因(病的)としては、外陰炎(接触性外陰炎など)、外陰部腟カンジダ症や腟トリコモナス症、細菌性腟症、萎縮性膣炎、性器ヘルペスなどがあります。
まれに子宮頸がん・子宮体癌からということもあります。
おりもの検査は簡単に行うことができます。適切な治療を行うことで症状は軽快します。
かゆみがある、臭いがする、量が多いなどの症状があるときは婦人科受診することをおすすめします。悩まずご気軽にご相談ください。

更年期障害

更年期とは閉経前後5年間と定義されています。日本人の閉経の平均年齢は50歳前後であるため、更年期は約45~55歳ごろとなります。この時期は卵巣機能が低下します。これに加えて、さらに加齢に伴う身体的変化や精神的・心理的要因、社会的な環境因子(子供のすだち 家族の介護、職場でのストレス)などが誘因となって、更年期障害が引き起こされるといわれています。

症状としては、以下があります。

  • 血管運動神経症状:顔のほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、発汗など
  • 身体症状:易疲労感、めまい、動機、頭痛、腰痛、関節痛、足腰の冷え、性行痛
  • 精神症状:不眠、イライラ、不安感、抑うつ気分
 

治療としては心理療法、食事療法・運動療法、薬物療法などがあります。
薬物療法としては低下した女性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)や漢方、抗うつ薬・抗不安薬などがあります。症状が軽い方やホルモン補充療法に抵抗がある方・ホルモン補充療法できない方は漢方薬などを選択したり、精神症状が強い場合には、抗うつ剤なども内服していきます。
それぞれにあった治療法を相談、いろいろと試しながら、自分にあった治療法を一緒にみつけていきましょう。
更年期症状でお困りでしたら、一人で悩まず、まずはご相談ください。

骨盤臓器脱・排尿障害

骨盤臓器(子宮・膀胱・直腸)は骨盤底筋とよばれる筋肉やその周辺にある多くの靭帯でささえられています。それらの靭帯がゆるんで骨盤内の臓器が腟の中や腟の外に脱出するのが骨盤臓器脱です。
下垂する・脱出する臓器によって、①子宮下垂・子宮脱 ②膀胱瘤 ③直腸瘤 ④小腸瘤があります。
骨盤臓器脱は直接命にかかわる病気ではありませんが、外陰部の違和感や排尿障害をきたしたり、さらには腎盂腎炎などの感染症を引き起こしたりすることもあります。またQOLが低下し、日常生活に障害をきたすことがあります。
治療としては、骨盤底筋訓練や生活習慣の改善(便秘改善や重労働・減量など)やペッサリー、手術療法があります。
一人でなやまず、ご気軽にご相談ください。

性感染症

性感染症は性行為を介して伝播する病気で STD(Sexually transmitted disease)と呼ばれています。性感染症には様々な病気がありますが、最近は若年層において増加傾向にあります。無症状なことが多く、それゆえに知らない間に感染していることもあります。
検査はおりものの検査や血液検査・尿検査で行うことができ、簡単な検査です。
放置しておくと将来不妊の原因となってしまうこともあります。検査で陽性となったとしてもきちんと治療することでほとんどの感染症は治ります。
気になる症状(おりものが増加した、性器にかゆみ・痛みがあるなど)がある場合は早めに婦人科を受診して、ご相談ください。また、パートナーも検査、治療する必要があります。

主な性行為感染症の病気

  • クラミジア感染症
  • 淋菌感染症
  • 性器ヘルペス感染症
  • 梅毒
  • 尖圭コンジローマ
  • カンジダ腟炎
  • トリコモナス腟炎
  • HIV(エイズ)
  • けじらみ症

クラミジア感染症

クラミジアトラコマティスが性行為によって男性では尿道炎や精巣上体炎を、女性では子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)を発症します。潜伏期間は約1~3週間です。しかし無症状のことも多く、感染時期を同定できない場合も多く認められます。
女性の場合は無症状のことも多く、知らずに子宮頸管炎をおこし、炎症は卵管へと広がっていくと、卵管の通過障害を引き起こし、不妊の原因や異所性妊娠の原因となることもあります。診断は子宮頸管や咽頭・尿道から綿棒でこすってPCR検査で行います。治療はおもに抗生剤を一回内服することでほとんどが治療することができます。治療後2~3週間後に再度検査を行い、治癒したことを確認することが望ましいです。
確実な薬剤の内服とパートナーの同時治療があれば治癒します。

淋菌感染症

淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染症で、クラミジア感染症と並んで頻度の高い感染症です。男性の尿道炎、女性の子宮頸管炎を引き起こします。
最近ではオーラルセックスの増加により淋菌が咽頭で検出される症例も増加してきています。治療には抗生剤を用いますが、抗菌剤耐性化が進んできています。放置すると不妊の原因となるほか、母体からの産道感染により新生児に淋菌性結膜炎を発症することもあります。

梅毒

梅毒トレパネーマによる粘膜や皮膚の微細な傷から感染がおこります。 体内へ侵入後は数時間でリンパ管や血管を介して全身にひろがり、いろいろな臓器で急性・慢性に炎症を起こし、さまざまな症状を引き起こします。
潜伏期間は約3週間で、侵入した部位(主には外陰部 子宮頸部)、に小豆大くらいの硬いしこり(硬結)が出現し、周囲に潰瘍形成を作ります。その後鼠径部(足の付け根)が無痛性に腫脹します。放置しておいても、自然に2~3週間で消失します。その後全身の皮膚にいろいろな発疹が出現します。そして数年から数十年の間に血管や脳、神経、心臓へ影響をあたえて、動脈炎、大動脈瘤、脊髄癆などが生じることがあります。
最近は増加傾向となり、20~30歳台で50~60%を占め、ここ最近は15~19歳の感染報告が増えています。症状や診察所見と血液検査(TPHA・TPLA・FTA-ABS、PRP検査)にて診断します。
治療としては、進行状態にもよりますが、抗生剤の内服を数週間から数か月行います。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス感染による性感染症の一つです。おもにはHPVの中でも6型・11型が約90%を占めています。(子宮頸がんと関係するHPVは16型・18型です。)
3~8か月(平均2.8か月)の潜伏期を経過して、外陰部や腟、子宮膣部、肛門周囲に乳頭状、鶏冠状のいぼができます。20~30%は自然に消失しますが、約25%は再発をします。
無症候性感染者の中で、妊娠に伴い、尖圭コンジローマを発症すると、まれではありますが、母子感染によって、新生児に再発性呼吸器乳頭症をおこすことがあります。
治療としては、イミキモドクリームの塗布や切除などがあります。
思春期にHPVワクチンを接種することで予防することもできます。

外陰腟カンジダ症

カンジダ属の真菌によって起こります。原因菌の一つのCandida albicans は10~30%の女性で膣内に常在しています。そのため、妊娠や抗生剤服用などの誘因によって発症してきます。おもには外陰部や膣のかゆみや帯下の増加(酒粕状、ヨーグルト状の白色の帯下)があります。時に外陰部や腟の痛みや性交痛、排尿障害などを訴えることもあります。
症状と帯下の状態、培養検査によって、診断は可能です。治療としては抗真菌剤の膣錠・軟膏、クリームなどを使用します。

月経移動・月経日調整

高校や大学の入学試験、学校の定期試験 スポーツ大会、結婚式旅行、大切な記念行事に月経が重なりたくないなどのときには月経をずらしてしまいましょう。
月経を早める方法と月経を遅らせる方法があります。
基本的には自費診療となります。
次の方法があります。

月経を早める方法

月経開始後3~7日目(月経中)から10~14日間 ホルモン剤を内服します。

月経を早める方法は、月経を移動させたい時期にホルモン剤を内服しなくてよい点です。もし早く予定がわかっているのであれば、その前の月経をずらしておくのもよいと思います。数か月前よりピルでコントロールすることもできます。

月経を遅らせる方法

月経開始予定日の5~7日前よりホルモン剤を内服し始め、遅らせたい日程の最終日まで飲み続けます。

月経を遅らせる方法はほぼ確実に月経を延期することが可能で、確実性があります。また比較的直近の内服開始でよく、方法も簡便です。しかし月経を止めたい日にホルモン剤を内服しなくてはいけないのがデメリットです。はじめてホルモン剤を内服する場合は副作用(吐き気や全身倦怠感など)が出ることもあり、大切な行事の時にそのような症状がでることがあります。また内服できなくなってしまうこともあります。

おもな副作用としては、血栓症と吐き気があります。
特に血栓症はまれな病気ですが、一度起こると重大な病気となるため、ホルモン剤服用中は水分をしっかりとって体を動かすように心がけましょう。

また血栓性素因(血液が塊りやすい体質)や深部静脈血栓症・肺塞栓症・乳がんの既往・授乳中(産後6か月以内) 手術前後(手術前4週間 手術後2週間)の方はホルモン剤の内服が原則飲むことができません。
手術前や試験などで、日程に余裕があれば、一周期前の月経を調整するのもよいと思われます。

月経移動を希望される方は気軽にご相談ください。
飲み方や副作用についても詳しくご説明させていただき、処方させていただきます。

診療時間
9:00~13:00
16:30~18:30

休診日火・木・土曜の午後、日曜、祝日

06-6857-1251
〒560-0032
大阪府豊中市蛍池東町2丁目3-2
阪急「蛍池」駅より徒歩2
駐車場はございません。
近隣コインパーキング等をご利用ください。
  • 建物外観
  • 入口を入って右側階段をお上がりください
PAGETOP
Copyright © 2024 米田産婦人科 All Rights Reserved.