低用量ピル(OC)
低用量ピルは2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)から作られた経口避妊薬です。正しく服用することで高い確率で避妊することができます。
ピルには1相性のものと3相性のものがあります。個人の体質やホルモンバランスもあるため、いろいろと試しながら、自分にあったピルを内服しましょう。
ピルは医師の指導・処方が必要です。まずは当院までご相談ください。
副作用
個人差はありますが、服用開始時に嘔気(はきけ)、頭痛、めまい、乳房緊満感、不正出血などがあります。これらはホルモンバランスの変化によるものなので、数か月で自然に落ち着いてくることが多いです。
まれではありますが、重大な副作用としては血栓症(深部静脈血栓症)があります。ピルを服用することで、血栓症は3~5倍増加します。脳卒中、心筋梗塞もおこることがあります。
そのため、ピルを内服中に
- 激しい腹痛
- 激しい胸痛、息苦しさ
- 激しい頭痛
- 視野がせまくなる・みえにくいところがある 舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害
- ふくらはぎのいたみ、ふくらはぎを握るといた、むくみ、赤くなっている
などの症状があるときは血栓症が疑われるため、ご連絡し、病院を受診してください。
ピルの避妊以外のメリット
ピルには避妊以外にもいろいろとメリットがあります。
- 月経量が少なくなる
- 月経痛が改善する
- 月経周期が規則的になる
- 子宮内膜症の予防
- 子宮体癌・卵巣癌の減少
- にきびの改善
服用できない人(禁忌)
- 月経発来前の人 50歳以上の人・または閉経後
- 35歳以上で1日15本以上
- 重度の高血圧 コントロール不良の糖尿病や高脂血症の人
- 妊娠している人・授乳している人(産後6か月未満)・産後4週以内
- 術前4週間、術後2週間、長期間安静が必要な人
- 前兆を伴う片頭痛
- 乳がん
- 凝固異常(血栓性素因)
- 重度の肝機能障害
- 本剤に対して過敏な人
- など
子宮内避妊器具(IUD)
子宮内避妊器具はいわゆる避妊リングともよばれるものです。
子宮内に器具を装着し、子宮内膜への受精卵の着床を防ぐことができます。出産経験があり、ピルを内服できないかたに適しています。
当院ではミレーナ® を使用しています。ミレーナはホルモン付加タイプで避妊効果がたかくなっています。月経量の減少と痛みが軽減されます。さらに長期間(約5年間)留置が可能です。ただし、ミレーナ留置中は、ミレーナの位置などの確認のため定期的な診察は必要です。
モーニングアフターピル(緊急避妊)
避妊せずに行われた性交または避妊したものの避妊手段が適切かつ十分でなかった性行(コンドームが破損したなど)の後にのむ緊急避妊薬のことです。
性交後72時間以内に緊急避妊薬であるLNG(ノルレボゲストレル)単剤を一回確実に内服する方法です。できるだけ早めに飲むことをお勧めします。
ご心配なときは、早めにご相談ください。
経口避妊薬・子宮内避妊リング、モーニングアフターピル(緊急避妊薬)は保険適応ではありませんので、自費扱いとなります。